労働部の雇用維持支援金制度

労働ニュース第2009‐2号

 貴社には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。

 最近、不況下で経営が悪化して人員を削減する事業場が増えていますが、このような人員削減を
避けるために労働部に雇用維持支援金を申請する事業場も増えています。

 雇用維持支援金制度とは、減産や売上減少、在庫量の増加などで事業主が勤労者を削減せざる
をえない状況におかれた場合に、 一時休業や休職、職業訓練、 人員再配置などを活用して雇用を
維持し、雇用保険から雇用維持に対する支援金を受ける制度です。

 今月号では 労働部の雇用維持支援金制度の主要内容をご紹介いたします。 業務のご参考にな
れば幸甚に存じます。

 

2009年 2月

株式会社 韓英 JBS
代表理事  金思烈
公認労務士 鄭銀淑


 

労働部の雇用維持支援金制度


1.制度の概要

 生産量の減少、売上の減少、在庫量の増加などで雇用調整が避けられなくなった事業者が勤労
者を解雇せずに、 休業、休職、職業訓練、人員再配置などを実施して雇用を維持する場合、 政府
が事業者に人件費などを支援して勤労者の失業を予防する制度である。

 

2.雇用維持支援金の支援要件

  雇用維持支援金を受けるためには、

  @ 雇用保険に加入している事業場であって、
  A 生産量の減少や在庫量の増加などで雇用調整を避けられなくなった事業主が、
  B 事前に計画書を雇用支援センターに提出したうえで、
  C 一時休業、直業訓練、休職、人員再配置などの雇用維持のための措置をとり、
  D 雇用維持措置期間中、その事業場に所属する勤労者を雇用調整によって離職させてはならない。

 

3.「雇用調整が避けられない場合」の範囲

 1) 雇用維持支援の要件とされている 「雇用調整が避けられない場合」 とは、雇用維持のための
   措置を実施する最初の日が属する月の直前の月 (以下、「基準月」という) が下記に該当する
   場合のことをいう。

  @ 基準月末日の在庫量が直前年度の平均在庫量に比べて50%以上増加した場合

  A 生産量が基準月の直前月(基準月の直前3ヶ月間の月平均、基準月の直前年度の月平均)
     に比べて10%以上減少した場合

  B 売上高が基準月の直前月(基準月の直前3ヶ月間の月平均、基準月の直前年度の月平均)
     に比べて10%以上減少した場合

  C 在庫量が基準月の直前2四半期において各四半期の月平均に比べて増加し続ける趨勢に
     あったり、売上高が基準月の直前2四半期において各四半期の月平均に比べて減少し続け
     る趨勢にある場合

  D 事業の一部の部署の廃止や縮減、または一部の生産ラインの廃止など、事業規模の縮小
     調整を実施した場合

  E 自動化などのような 人員削減をもたらず設備が設置されたり、 作業形態や生産方式が変
     更された場合

  F 経営が悪化した事業を引き受けた事業主であって、従前の勤労者の60%以上が当該事業
     に再配置されるとともに、従前の事業の勤労者が当該事業の持分を50%を超えて取得して
     いる事業の事業主である場合

  G 職業安定機関の長が 当該業種および地域の経済状況の悪化などを考慮して人員削減が
     不可避であると認めた場合

 2) 上記のDからGまでを適用する場合には、雇用調整が不可避であることを客観的に立証す
   る資料が添付されていれば、基準月の概念を援用せずに支援するかどうかを判断する。

 

4.雇用維持措置計画の申告

  1) 雇用維持措置計画書の提出

   雇用維持支援金を受け取ろうとする事業主は、

     @ 雇用維持措置の計画を樹立して、
     A 雇用維持措置計画申告書を作成し、
     B それに雇用調整が不可避であることを立証する書類と労使が合意したことを証明する
        書類を添付して、
     C 雇用維持措置を実施する日の前日までに、 所在地を管轄する職業安定機関の長に
        提出しなければならない。

 2) 勤労者代表との協議

  @ 勤労者代表との協議の必要性

    ・ 雇用維持措置計画を実施するには勤労者代表と協議する必要がある。 ここで勤労者代
     表というのは、 勤労者の過半数で組織されている労働組合がある場合には 当該労組の
     代表を、そのような労働組合がない場合には勤労者の過半数を代表する者を、それぞれ
     意味する。
     904,000ウォン(月226時間労働)となる。

    ・ 勤労者代表と正常な協議の過程を経たのであれば、「合意」に至らなくても構わない。

  A 協議方法

    ・ 労働組合がある事業場の場合には、 事業主が労働組合側に休業する旨を予め通報し、
     形式に拘らずに労働組合との協議を経なければならない。

    ・ 勤労者の過半数を代表する者と協議する方法は、企業の実情に合った適切な方法を活
     用して勤労者の過半数の意見を聞いたことを客観的に証明することができなければなら
     ない。

    ・ 「労使合意書」、「会議録」、「会議開催施行公文」のうちから一つを選び、 労働組合と誠
     実に協議したことを証明する書類として提出することができる。

 

5.雇用維持措置の実施と支援金の支援水準

 1) 休業

    1ヶ月の単位期間中に当該事業場の 15分の1 を超過する規模で休業を実施して勤労者に
   休業手当を支給する場合には、事業主が支給した休業手当の3分の2(大規模企業は2分の
   1)を支援する。

 2) 職業訓練

     雇用維持措置対象者に対して、1日4時間、合計20時間以上、対象者に適合した職業訓練
    を実施する場合には、事業主が支払った賃金の4分の3 (大規模企業は3分の2) と訓練費を
    支援する。

 3) 休職

     雇用維持措置対象者に対して1ヶ月以上の有給休職を実施する場合には、事業主が支給
    した休職手当の3分の2(大規模企業は2分の1)を支援する。
     また、雇用維持措置対象者に対して1ヶ月以上の無給休職を実施する場合には、勤労者1
    人当り月20万ウォンを支援する。無給休職中の勤労者が職業訓練に参加したときには、 訓
    練手当(最低賃金の70%と交通費3万ウォン)と訓練費を支援する。

 4) 人員再配置

    事業主が施設や設備を新たに設置または整備して新業種へと事業転換をし、 既存の事業
   場で働いていた勤労者の60%以上を転換した業種に再配置する場合、事業主が支給した賃
   金の4分の3(大規模企業は3分の2)を支援する。

 

6.継続雇用の義務

 1) 継続雇用

    雇用保険から支援金を支給するのは、雇用調整を避けられなくなった事業主が当該事業で
   雇用する雇用保険被保険者である勤労者対して 雇用維持措置をとり、 その事業場に所属す
   る被保険者である勤労者の全員を引続き雇用する場合に限る。

 2) 継続雇用義務期間

    少なくとも雇用維持措置期間中 (計画書を提出して申請した雇用維持措置の開始日から終
   了日までの期間)には勤労者を削減してはならない。雇用維持措置対象者に対して勤労基準
   法第26条 の規定によって解雇が予告されている場合と、 経営上の理由による事業主の勧告
   に応じて退職が予定されている者には、雇用維持支援金を支給しない。

 

7.雇用維持支援金の支援期間

 1) 休業、職業訓練、および休職の場合は、 その総日数を合わせた期間を支援期間とする。 但
    し、1保険年度に180日を限度とする。

 2) 職業訓練の場合の支援期間は90日間延長することができる。

 3) 人員再配置の場合の支援期間は、再配置が完了した日から1年間とする。



−以上−  

 


 ここに掲載された情報は公開資料を翻訳・要約したものであって、詳細な調査研究を代替したり、
 専門的判断を下すためのものではありません。それゆえ、この記事を読者が読んだ結果、何ら
 かの行動を為したり、差し控えたりしたことによって発生した損失に対して、韓英会計法人、滑リ
 英JBS、アーンスト・アンド・ヤング、および世界のアーンスト・アンド・ヤング組織のメンバーは責
 任を負うものではありません。特定の個別的事案については必ず適切な専門家に助言をお求め
 ください。
 

 
資料提供:株式会社韓英JBS