第7回「日韓交流おまつり」を終えて
日韓交流おまつり」実行委員会メンバー
「日韓交流おまつり」運営委員会顧問
高杉 暢也
今年のおまつりのスタート
昨年のおまつりは “悠久の歴史、輝く未来”をテーマとしてとして宮崎県美郷町南郷地方で1300年間に渡って受け継がれてきた「師走祭り」を中心に展開しましたが、雨や風などの自然災害と、F1による騒音問題などで課題を残してしまいました。今年は日韓関係の新しい100年のスタートという思いと昨年の課題解決に向けて取り組みを始めましたが、3月11日に日本の東北地方を襲った大震災により状況が一変してしまいました。被害状況の大きさからおまつりの中止も考えられましたが、多くの方々から“規模は小さくともやるべし”の声援が寄せられました。そして、この大震災に対して韓国がいち早く救助隊や救援物資、義捐金などの暖かい手を差し伸べてくれました。このような状況を鑑み、“ありがとう韓国、頑張ろう日本”をテーマに開催することにしました。
今年のおまつりの運営とプログラム
大震災の影響で協賛金集めが難しくなることが予測されたため、予算規模を前年の半分程度に抑え“小さく創って、大きく育てよう”の精神で運営を進めました。したがって、開催日は1日、開催場所はソウル市庁前広場1箇所とし、テーマに沿って、東北地方の被災県からその県を代表する祭りを招聘して日本側から“ありがとう韓国”と感謝の意を、韓国側からは“頑張ろう日本”と励ましの思いを交流する場を作ることを願い、プログラムは① “ありがとう韓国、頑張ろう日本”、② “楽しいおまつり、楽しい出会い”、③ “楽しむ私たち”の3部作としました。
① “ありがとう韓国、頑張ろう日本”=公式行事
事前公演に日本カウンターテナーの米良美一さん、韓国パペラ歌手フィジンさんが出演、その美しい声で観衆を魅了し公式行事の露払い的役割を果たしました。公式行事では日韓混合の青少年オーケストラ公演で両国の友好親善ムードが高まり、開会式の厳粛かつ友好的な雰囲気が整えられました。役員の挨拶、来賓の祝辞の後、金利恵さんが震災への追悼を表す「サルプリ踊り」を厳かに舞い、舞の中に“頑張ろう日本”とのメッセージを垣間見ることが出来ました。岩手から来た舞子たちが震災にも負げず、明るく盛岡「さんさ踊り」を披露し、“ありがとう韓国”とこのおまつりへの感謝の意を表わしました。
② “楽しいおまつり、楽しい出会い”=本公演
ミス着物、ミスコリアジャパンの両国の美の競演の後、宮城・仙台の「すずめ踊り」、福島の「スパリゾートハワイアンズ(フラガール)」、そして「太鼓坊主」と 日本の踊りが元気よく披露されました。若手グループ「躍動」の「よさこい踊り」では韓国のミチェホル高校生との日韓競演が行われ、大拍手が沸き起こりました。ジャマイカのリズムをとり入れた「キングストーンルディスカ」のサウンドはこれまでになかったリズムで、そのノリの良さに観客が体を揺らして楽しんでいました。続く高陽芸術高校の舞踊、打楽器研究所の打楽器演奏、そして「ドラム・フェスティバル」に出演したドラムキャットの一糸乱れぬドラム演奏は会場のビートを一気に高めていきました。
③ “楽しむ私たち”=マダンノリ
第3部はステージと会場とが一体となるまさに“楽しむ私たち”=マダンノリ。
ステージと会場が一体となって 「よさこいアリラン」踊りが繰り広げられ、会場は更に熱気を帯びてきました。その熱気が冷めやらぬ中、日本を代表する祭り「秋田・竿灯」と「青森・ねぶた」が秋の夕暮れの中で演じられ、負けじとばかり「韓国・平澤の農楽」が今年の秋の豊作を祝うがごとく軽業師のように演じられまつりは最高潮に達していきました。そして遠くから古くから全羅南道に伝わる韓国情緒たっぷりの 「ガンガンスルレ」の歌声が会場に響き、いつの間にか会場の老若男女が手に手を繋いで輪になってソウル広場を踊り廻り始め、今年も日韓が一体となるビビン(混わる)状態が出来上がったのでした。
おまつりの評価と反省点
今年のおまつりは多くの方々から“これまでのものより良かった”との高い評価を頂きました。
その要因には以下のことがあげられます。(10月26日開催のレビュー会より抜粋)
先ず天気に恵まれたことです。二つ目に大震災の影響です。最初は心配しましたが、逆に①予算の制限で会場や日時を絞りコンパクトを目指したこと。② テーマを“ありがとう韓国、頑張ろう日本”としてそれにあわせたプログラムを作ったことなどで良い効果が出たこと。三つ目に舞台演出も良かったが、体験ブースや企業ブースの盛り上りでお祭りらしい雰囲気が作られたことです。四つ目は誰もが参加でき、交じあえるみんなの「手作りおまつり」の具現化です(東京のおまつりは一部入場券発売などイベント化しています)。最後はやはり運営委員長の強いリーダーシップと運営委員のボランテイア協力の融合です。特に、世宗大の学生を中心とした若い運営委員が舞台演出に関してアイデアの段階から当日の運営総括まで責任を持って推進してくれたことが成功の大きな要因と考えられます。
一方、反省すべき点も多々あります。(1)協賛金集めに困難が予想され予算確定が遅くなったこと、(2)ポスターの作成、配布が遅かったため、広報効果が薄かったこと、(3)インターネット、HPの活用が不十分であったこと、(4)ソウル市、また、委託運営会社との連携が不十分であったことなどです。
当日、会場で実施したアンケート調査からおまつりを知った手段が友人・家族、インターネットで70%との回答を得ました。改めてインターネット時代を確認し、今後のインターネット、HP活用に更に力を注いで行かねばならないことを再認識しました。
来年以降へのおまつり
このおまつりを成功させる鍵は① 資金、 ② ボランティア活動 (ノウハウ)、 ③「心」の3つがあります。先ず、「おまつり」は事業ですからやはり資金の裏付けがないと開催できません。従って、SJCの法人、個人メンバーの皆さんに今後とも是非、ご協賛のご理解、ご支援をお願いするところです。 両国政府主導で始まったこのおまつりは、いまや両国のボランティア老若男女がひざを突き合わせ、口角泡を飛ばして議論し作り上げる「手作りのおまつり」となってきています。このプロセスが積み重なりノウハウとなって蓄積されてきています。更に、変えてよいものは変える、変えてはいけないものは変えない「不易流行」の強い気持ちと相手の立場に立って物ごとを思い、判断する「易地思之」の思いやりを持ってこのおまつりを継続していく必要があると思います。
世界のグローバル化、ボーダレス化は加速しています。 日韓両国は民主主義、市場経済主義、類似の文化を共有するパートナーです。このたびの大震災時に示された温かい友情はまさにその象徴です。そしてこのおまつりも皆さんのご協力で両国友好親善促進に貢献しているということを確信しています。
両国の間にどんな悪天候があっても常に進むべき方向を教えてくれる灯台の光のような日韓友好のシンボルとしてこのおまつりを育てていきます。
これからも引き続き皆様のご理解とご支援をお願いいたします。
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