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今から13年前の1988年、日本の経済同友会は「日本企業のさらなる国際化に関する基本的視点」なる提案を行った。そこには1)世界に通ずる経営理念を確立していること2)世界に誇りうる自社の強みを認識していること3)グローバルな戦略と現地の地道なオペレーションが適合していること4)個性のある現地化を推進していること5)グローバルな視点に立って行動できる人材を多数保有していること6)国境という制約にとらわれずダイナミックに戦略を展開していること。が企業のグローバル化の望ましい条件として謳われている。 私はその原案作りに参加した者として、常にこれを念頭においているが、韓国で実際に経営を行うに当たり、「企業の役割並びに責任」については次のように務めている。1) アイデンティティーのある経営理念と行動規範を持ち、それを内外に明示、徹底する。2)自らの企業らしさを常に念頭に置き、他社とは異なった行動を取る勇気を持つこと。3)環境変化、将来展望に対する透徹した見識を持ち、さらに経営視点を複眼化すること。4)社外役員として国籍、職業、性別を問わず取締役会に参加を要請し、経営を透明化すると共に客観性を持たせる。5)企業の利益と社会の利益との合致を図り、社会に積極的に貢献すること。6)国際企業としての適切な業績目標と、業績評価体系をもつこと。 更に進出国との関係では次の様に考えている。一つは現地社会との融和に対する責任である。国際化とは、企業が異人種・異文化で構成される社会で活動する事になる。この場合異なる価値観を持つ従業員にとっても、共通の目標に向かって力を発揮できる普遍的で、アイデンティティーのある経営理念を提示する事が必要である。そのことは価値観の異なる従業員の価値観との調和がとれている事を意味し、企業の理念は人種、性別、信条などで差別される事のないものである事が鉄則となる。二つ目に国際社会に準拠する責任である。企業は国際会計ルールや地球環境保護など国際的規範を遵守することは当然のこと、その地域社会における文化・ルール・慣習を尊重し、模範的市民になるよう努めなければならない。三つ目は所属国家に対する責任(現地化又はローカライゼイション)である。国際化は産業空洞化や雇用の減少をもたらすこともあるが、企業としては自らの利益や成長を追求しつつ、ある程度のコストを払っても国家利益との調整に努力する責任がある。即ち、国際企業は無国籍企業と同一ではないということを認識する必要がある。 更にIMF以降、グローバル化・ボーダレス化に直面している韓国で経営に携わって3年の経験から、韓国および韓国企業の国際化に必要な変化について私見を述べてみたい。 1) 韓国企業がグローバル化・ボーダレス化の中で発展していくには、企業の近代化が不可避である。過去“漢江の奇跡”と称される経済発展に果たした財閥経営の役割は賞賛するに吝かではないが、バラダイムシフトに添った近代化が伴わないと、遅れをとることは自明の理である。具体的には「所有と経営の分離」と「経営の専門化体制」を確立させることは焦眉の急で、特に知識・技術・情報などの無形資産を重視するパラダイムに留意が要る。 |