国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

韓国最大のグループである三星(サムソン)グループが、"最悪のシナリオ"に備えて『非常経営体制』に突入した。
グループの主力企業である三星電子等の業績悪化を契機として、今後は系列各社の人員調整や投資縮小等の減量経営を一段と推進する計画だ。関係者によると「今年下半期以降も環境が大きく好転しないと予想されるため、グループとしても最悪の状況を前提とした経営計画を策定することになった」らしい。

先週、第2四半期の業績発表をした三星電子は、当初7兆3000億ウォンとしていた今年度の設備投資額を、4月に1兆2000億ウォン減らしたのに続き今回も1兆ウォン削減し5兆1000億ウォン(約5000億円)とするとともに、収益悪化部門は分社化・整理する方針で、今後も業績が好転しなければ職員を評価分けし、C評価(全職員の10%程度)の者を1年以内に名誉退職させると発表した。三星SDIや三星電気等他の系列会社も設備投資と人員の削減を計画しており、電子部品では国内最大手である三星電気は年末までに分社・売却等で23%の人員を削減する計画だ。また、低金利から経営悪化が懸念される三星生命やこのところ輸出不振に喘いでいる三星物産等も構造調整に一段と積極的に乗り出す模様だ。

こうしたことから、三星グループ全体での今年度設備投資額は年初の9兆5000億ウォンから約6兆ウォン(約6000億円)へと3割近い大幅な減少となる。

三星の決定は、韓国の"景気回復シナリオ"にも翳を落としそうだ。

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