国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

歴史とは、例え同じ『真実』であってもスポットの当て方や見る角度などによって姿・形が全く変わってしまうもののようだ。

「この辺りの鰻料理は有名です」と案内してくれたのは知人の大手財閥役員氏。

この辺りとは、幸州山(ヘンジュサン)。幸州山が有名なのは、山頂から一望に見渡せる韓国随一の大河・漢江(ハンガン)の景観、そして壬辰倭乱(秀吉の朝鮮出兵)の際に攻め上ってきた宇喜多秀家軍をこの地で撃退した史実が挙げられる。しかも、その戦いで女性の活躍が勝利に大きく貢献した事から、"エプロン"のことを韓国語では"ヘンジュ・チマ"と呼ぶ。この事は日本の歴史教科書には書かれていないが、韓国人なら誰でも知っている。また、日本人観光客で賑わう梨泰院(イテウォン)の地名の由来も韓国の歴史書によれば、朝明連合軍に敗れた小西行長と加藤淸正の軍が龍山(ヨンサン)に駐屯しチャンバムチェにあった雲鍾寺・比丘尼の女僧宿所を襲撃、強姦した。日本軍退却後にソウルへ戻った朝廷は雲鍾寺の女僧と日本軍の子を生んだ婦女子を処罰せず、保育院のような施設を設置し混血児を育てるようにしたため『異胎院』又は『異胎圓』と名付けられたとされている。『梨泰院』と呼ばれるようになるのは朝鮮朝の孝宗時代で「梨の木を植える事に成り『南部屯芝坊 梨泰院契」と命名』と説明されているが、これも日本の教科書には記されていない。

「ところで中村さん、小泉総理は靖国神社に参拝するのでしょうかね?」

にこやかな笑顔で突然質問され、咄嗟の返答に窮してしまった。

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