国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

最近、韓国の親達の間で『キクギ熱風』が吹き荒れているらしい。

 「キクギ」を直訳すると「背が高い事」。子供の身長を少しでも高くするため、赤ん坊には足や背骨のマッサージを施し、小・中学生は健康クリニックでの運動を始め漢方薬や針治療、果ては“ホルモン注射”と我が子の成長(?)に賭ける親の思いは凄まじい。番組の中である母親が「親の欲だが、男の子だから180センチは欲しい」と答えていたが、医療専門家は「身長だけ大きくなっても骨などのバランスを保たないと、成長過程で各種の障害を起こす可能性がある」との警鐘を発していた。

 さて、世界的な半導体ブームに支えられ高い成長を維持し韓国経済を牽引する一役を担ってきた半導体産業だが、今まさに“曲がり角”を迎えている。

 世界的半導体不況が長期化する中で、業界国内トップの三星電子ですら第3四半期から営業損失に陥る可能性が高まっている。また、このところ新規受注量が減っている非メモリー事業も構造調整が急がれる。しかし、この状況に至ってもハイニクス半導体を始めとした国内半導体企業の多くは「今年第4四半期からは需要が上向く」といった希望的感想を口にし、M&Aや設備売却のような実質的な構造調整を何ら行ってはいない。こうした状況に対しモルガン・スタンレー証券は、最近の報告書で「ハイニクスにとって11兆ウォン(約1兆円)の負債はかなりの負担。DRAM価格が急騰しない限り、債権団の出資転換が唯一の生き残り策」としている。

 “需要回復”という“ホルモン注射”だけでは限界なのだろうか…。   

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