中産階層は今・・・

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 来月10日から「2002年W杯、プレステージ・チケット」の販売が始まる。飲食や土産などが付き3試合を『VIPボックス』で観戦できる同チケットの最高額は6億1200万ウォン(約6000万円)だそうだが、この不景気にナントも“豪気”なことだ…。

 政府系シンクタンクである「租税研究所」では、『自らを中流だと考える階層』のことを“中産階層”と定義している。また、同研究所の調査によると国民の約60%が『自分がこの層に属す』と回答し、回答から割り出された“中産階層”の平均像は『年所得2400万ウォン(約240万円)、負債700万ウォン(約70万円)』となっている。

 今、韓国では“中産階層”が減少し社会問題化している。原因としては、景気低迷が齎す経営不振による減収、倒産やリストラによる失業などがあげられる。

 26日放送のSBSテレビ「2580」では、ソウル市永登浦(ヨンドゥンポ)にある中小企業が軒並み倒産の危機に瀕している様子を報じていた。番組の中のインタビューで、ある機械会社社長は「月間の売上げが750万ウォンしかなく、材料費と従業員に払う給与、それに電気代などを支払うと私の手元には1ウォンも残らない」と嘆いていたし、別の金属加工業者は「今年6月以降は1件の注文もない。このままでは子供達の学費も払えなくなってしまう」と窮状を訴えていた。

 『年収10%減で“中産階層”の2割近くが“低所得層”へと転落する』との試算もあるが、番組を見ているとこうした現象は既に始まっているように感じた。

 “中産階層”の揺らぎは、政権の揺らぎに通じるとも聞くが…。

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