揺れる生命保険業界

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

「あの三星生命が、役員を大幅に減らし、希望退職者も募るという噂があります」

今、生命保険業界が揺れている。

韓国では生命保険加入件数が3月末で5000万件を越え『全国民加入時代』を迎えたが、各保険会社は顧客から受け取った保険金で運用した投資収益率が保険契約時点で定めた予定利率を下回る『逆ザヤ』現象に陥っている。

韓国開発研究院(KDI)では「根本的対策がない限り、今年も『逆ザヤ』が1.75%となり、今後4年連続で1%を越える」と予測している。しかも、韓国の生命保険会社は総資産に対する自己資本比率が低く業界平均で1.1%にすぎない。因みに、低金利にともなう『逆ザヤ』と株式不況で、97年以降だけで保険会社が7社倒産した日本でも自己資本比率は2.3%あるし、米国にいたっては5.6%に達している。

こうした『逆ザヤ』に加え、長期にわたる株式市場の低迷から機関投資家である保険会社も株式投資で大きな損失を出した。このため、最近では各社とも保有資産での株式投資を縮小する傾向にあり、それがまた株式市場の沈滞を長期化させるという“悪循環”が続いている。保険開発院の分析によると、総合株価指数が600ポイントになっても保険金の支給余力比率が100%に達しない会社が8社にのぼり、700ポイントまで大幅上昇したとしても内5社は100%には達しない。

李瑾栄(イ・クンヨン)金融監督院委員長は「逆ザヤが数年間続くと危機状況に陥るが、単発的なら大きな問題はない」とコメントしているのだが…。

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