テロ、発生・・・!

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 テロにより一度に数千人の命が奪われるという大惨事が米国で起きた。

 翌日、新聞に掲載されていた安否不明の日本人の中に見覚えのある名前を見つけた。名刺ホルダーを取り出し捲ってみると間違いなく彼だ。3年前、彼は香港支店に勤務し韓国にも出張で時々やって来ていた。明るい性格の好青年だった印象が残っている。今朝のニュースでは、瓦礫の中から5人の生存者を救出したと流れていたが、彼が今回の生存者同様に無事救出される事を祈りたい。

 ご存知の通り、世界貿易センターには全世界の有力企業が入居していた。ここに本店・支店を置いていた金融機関も多く、金庫の中に保管されていたであろう有価証券や現金が今回の大惨事によってその全てが“藻屑”と消えてしまった可能性もある。今回の大惨事によって齎された人的・物的被害は画像以上だろう。

 韓国も米国の規制処置による輸出遅延から、輸出主要品目である半導体分野が11・12日の2日間だけで500万ドルの被害を受けた。しかも米国は国内航空会社以外の本土乗入れを禁止しており、正常運行まで被害額は拡大すると予想される。先日、韓国半導体産業業界が「半導体の輸出動向と展望」の中で「今年の半導体年間輸出額は、昨年実績の260億ドルから30%以上減少した170~180億ドル」になりそうで、「世界的な不況による半導体景気の減速とDRAM価格の暴落が長期化し年末までの回復は難しい」との見通しを示したばかりだ。

 今回のテロは景気回復に取組む韓国にも“大打撃”を与えそうだ。  

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