米国の決断は・・・

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 米国による軍事報復に対し、韓国マスコミの一部から慎重論が出始めている。

 韓国の有力日刊紙「中央日報」は15日、「米国の自尊心と国民の怒りを考えると、ブッシュ大統領には他の選択余地はない」と理解を示しながらも「戦争は最終選択肢」とし「ブッシュ米大統領は戦争のボタンを押す前に、もう一度熟考する冷静さを失ってはいけない」との社説を掲載した。また、進歩派として知られる「ハンギョレ新聞」も同日付社説で、テロ攻撃に対する米国の憤怒は当然としながらも「テロに屈しないとの決意は世界の共感を得ているが、軍事報復がむやみに行われてはならない」とし、「根本的な解決方法は容疑者を特定し審判を下すこと」であり、「引き渡しが拒否された場合に、限定的な軍事作戦に出ても遅くない」と主張している。また、「最も重要なことは、憎悪で満ちている反米感情を直視すること」と指摘し、米国のイスラム国家への政策見直しが最終的な事態解決法との見方を示している。

 14日、産業資源部と貿易協会がまとめた今回の“米国同時多発テロ”による韓国の輸出被害額は3314万ドルにのぼる。しかも、その7割以上に当たる2450万ドルが今回の事態による“商談中止”によるものだ。戦争勃発ともなれば、米国の景気鈍化により輸出が更に減少する事は間違いない。また、一部ではW杯開催の延期も取り沙汰され始めたが、そうなれば各地方自治体が莫大な資金を投じて建設した近代的スタジアムも全てが「無用の長物」と化してしまう。

 はたして、米国はどのような決断を下すのだろうか…。     

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