傷ついた“翼”

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 スワーデスは韓国でも人気の職業だ。

 以前、大韓航空関係者に応募倍率を聞きその余りの凄さに驚かされたが、スチワーデスに限らず今の韓国では女性にとって就職自体が『狭き門』。高麗大学の学生242人を対象に行ったアンケート調査でも、女子学生の79.3%が『外見も1つの能力として社会で通用する』とし、84.6%が『外見を変えたい』と回答している。彼女達の置かれた状況を考えると、そうなる心境も理解できるような気がする。

 さて、その航空会社は今月2日の『スイス航空経営破綻』など業界全体が不況に喘ぐ中で、今後は路線縮小やリストラ、資産売却などを積極的に推進する計画だ。

 韓国の国内航空2社は原油価格高騰などの影響を受け昨年上半期から経営実績が急激に悪化し、今年上半期には大韓航空が3459億ウォン(約340億円)、アシアナ航空が1563億ウォン(約150億円)の純損失を計上した。そこへ追い討ちをかけるように今回の『米国同時多発テロ』が航空需要を急激に落ち込ませてしまった。このままでは今年下半期も赤字となる可能性が極めて高い。

 先週、大韓航空は国内外14路線の運航停止、航空機5機の売却・貸出および資産売却、職員500人削減など総額1295億ウォンの費用節減策を打ち出した。一方、アシアナ航空も国内外5路線減縮とともに、職員360人の削減や資産売却など総額575億ウォンの費用削減を目指す。しかし、これによって国内路線はわずか24路線となってしまう。

 航空業界の不況が地方経済にも波及する危険性が出てきた。  

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