“既得権”争い

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 金融行政の“元締め”である財政経済部と金融監督委員会が、『証券取引法』の改正を巡って対立を続けている。

 先週、財政経済部は「証券取引所とコスダック市場に関する金融監督委員会の権限の一部を財政経済部に移す改正案を準備する」と発表した。現行の『証券取引法』によれば、証券取引所とコスダック市場の公示・上場・売買に関する規定は金融監督委員会が財政経済部の事前協議を経て承認するようになっている。

 ところが、今回の「迅速に処理すべき市場措置が金融監督委員会の承認手続で支障をきたすという副作用が発生し、承認手続を財政経済部に一元化することにした」との財政経済部の発表に対し、金融監督委員会は「財政経済部が、法改正の権限を乱用して権限独占を図っている」とこれを否定するコメントを発表した。

 こうした官僚同士の既得権争いのため、今回の件に限らず他の経済政策においても、今の金融行政は相互間の調整機能が十分に働いていないのが実情だ。

 一部では「今年8月に与野党・政府がすでに合意した財閥指定基準の緩和策が経済部処間の意見の食い違いで未だ決定できない。これは経済政策の調整機能が事実上マヒしている証拠」という批判の声まで上がり始め、専門家の間では「政権末期に経済部処間の既得権争いが起きるのは、政権初期の公共改革が失敗したため」との分析すら出始めている。

 監督庁の迷走は、構造改革を一層遅らせてしまう可能性が高い。  

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