「過去」への「コダワリ」

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 「いやぁ、今日は良い事をお聞きしました!」とは、某大手グループ役員氏。

 一緒に食事をした席で、彼から「日本文化開放により日本映画が見られるようになって久しいが、『ラブレター』に出ていた“中山美穂”や『4月の物語』の“松たか子”は日本でも有名なのか?」との質問を受けた。

 私が「2人とも有名で“松たか子”の父親は更に有名な歌舞伎役者。私は、彼の祖先は大昔に朝鮮半島から渡来した人物だと思う」と話すと、彼が膝を乗り出すように理由を尋ねてきた。

 私が「歌舞伎役者の家は昔から別名を持っており、これを『屋号』と言う。彼女の実家の『屋号』は『コウライヤ』で、漢字で書くと『高麗屋(コリョオク)』となる」と説明した途端、文の冒頭に書いたごとくの言葉が彼の口から飛び出した。

 昨日付の朝鮮日報が、東北旧石器文化研究所の藤村新一・前副理事長が40カ所以上の旧石器時代の遺跡を捏造した事件を大きく取り上げていた。

 記事の中に、「日本の考古学界は個人の行動としている。しかし、約20年間にわたって行われてきた捏造について学界の風土自体に問題があるとの指摘もあり、更には日本社会の『過去を美化する』雰囲気を指摘する声も出ている」との記述があった。先日の日韓首脳会談で一応の“手打ち”とはなったものの、未だに日本の『歴史教科書問題』が韓国社会の中で燻っている事を実感させられる記事だった。

 私の印象からすると、『過去を美化する』雰囲気は日本よりも韓国が強く、寧ろ、日本は『過去を意識しなさすぎる』ように感じるのだが…。

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