「復元」のコスト

国際証券 Seoul支店長 中村貞行氏

 今日、朝鮮総督府庁舎建設の為に1916年に景福宮(キョンボックン)から撤去された興礼門(フンネムン)が85年ぶりに復元された。

 96年から始まったこの工事には、延べ2万9093人の作業員と233億ウォン(約23億円)が投入された。周辺の維和門(ユファムン)、奇別庁(キビョウルチョン)、そして宮殿の西北から水を引いて作った禁川とその上に架かる永済橋(ヨンジェギョ)も同時に復元された。約520坪の新宮殿は、新しい観光名所となることだろう…。

 さて、英国フィナンシャル・タイムズが24日付紙面に『韓国特集』を掲載した。

 特集記事の書出しは、「韓国は今後10年間に2つの難題に直面する」。

 第1の難題は「中国が低い生産単価で世界市場のシェアを増やす一方、韓国の製造業は市場を失う脅威に晒されている」にも拘らず「日本を除くアジア諸国の中で労働賃金が最も高いが、生産性が賃金に追いついていない。韓国側は『他国よりGDP比で見ると研究開発投資は多い』と主張しているが、日本の先進技術には追いつけず『グローバル・マーケティング』と『流通能力』が不足」している点。

 また、第2の難題は「韓国が中国の経済的挑戦に苦戦する中で北朝鮮の突然の崩壊という悪夢のようなシナリオが展開すれば、韓国は社会的・財政的に緊張を強いられる」点だとし、「どうすれば、統一費用で韓国経済を破産させないように平和統一できるか」に韓国経済の将来がかかっていると指摘している。

 韓国経済の『復元』にも、莫大な“コスト”と“時間”がかかりそうだ。

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