「労働者天国」

 韓国はある意味『労働者天国』だ。基本的に解雇されることがない。

 今年8月に経営破綻した「ハイニクス半導体」は、メモリー部門では三星電子、マイクロトン・テクノロジーに次ぎ世界3位の半導体メーカーだ。昨年度の輸出総額は60億ドルに達し、これは韓国の輸出総額の3.5%に相当する。

 「ハイニクス半導体」は、政府の推進する大企業合理化策「ビック・ディール」によって、「LG半導体」と「現代電子産業」との合併によって誕生した。

 ところが、韓国では冒頭に述べたように「本人の希望」若しくは「重大な過失」でもない限り基本的に解雇ができないため、従業員数が大きく膨らんでしまった。

 しかも、合併後に会社側が提示した「生産ライン合理化案」に対し、労働組合側は「一方的な配置転換に反対」する労働争議に突入した。そして、長期にわたる争議の末、会社側は「一部ラインの見直し」だけに留めざるを得なかった。

 世界的な半導体不況が訪れても、労働者側に有利な“労働協定”と“労働慣習”により、会社側は労働者の賃金を減らさないよう生産ラインを「3交代制」で稼動させるしかなかった。受注が無いにも拘らずである…。

 そして、経営破綻し債権団による再建協議が行われている現段階になっても、労働者は「交代一時帰休」によって解雇を免れ実質8%の給与減で済んでいる。

 昨年1年間で、韓国における労使争議は1036件発生し、労使紛争に発展したものは250件にものぼる。   

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