スカイ・ラウンジにて 

 「旧正月は家内とアンコール・ワットに行ってきましたが、世界遺産だけあって素晴らしい建物でした。是非、中村さんにも行かれる事をお勧めします」

 ここは、ソウル市汝矣島(ヨイド)にある“63ビル”59階のスカイ・ラウンジだ。

 「私は釜山でも大学に通いました。と言うのも、朝鮮動乱時にソウル大学も釜山に疎開したのです。動乱のせいもあって、私の同級生は半分も残っていません」

 「朝鮮動乱は“共産主義”との戦いでしたから、多くの友人をあの戦争で失った私にとって、日本で共産党が国会でも厳然たる勢力として存在しているのは頭では理解できるのですが、今でも感情的には忸怩たるものが生じてくるのです」

 「朴大統領は“漢江の奇跡”と呼ばれる経済発展を成し遂げた反面、徹底的弾圧と地域対立という弊害を生みました。しかし、最近の国会紛糾などは民主化への過程の表れでしょうし、情報開示の進展から偏った公共事業投資や公務員人事はできなくなってきており、時間は掛かるにしても地域対立も解消していくと思います」

 「経営者の意識も変わり“借金しても事業拡大”という経営者はいなくなりました。結果的に“IMF危機”は韓国経済の健全化には“良薬”だったのかもしれません」

 「今年は地方選挙に中間選挙、そして年末には大統領選挙と“政治の年”ですが、ワールド・カップやアジア大会などビック・イベントが控えた特殊な年でもあります」

 「堅調な個人消費に加え、これらの特殊要因が韓国経済の成長率を引き上げるため、今年の経済成長率は4~5%になると予想しています」

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