「金銭万能主義」 

 「ソウル五輪を境にして、それまでは貧しくとも勤勉だった韓国人に“拝金主義”が台頭してきたように思います」と話すのは、某企業グループの副会長氏だ。

 「最近では、何事もカネのあるなしで判断する風潮が巷に溢れています。考えのない大人達が何事も金銭価値で判断するから、若者の中に『お金さえあれば何でも出来る』と考える者が増えるのでしょう」と最近の“金銭万能主義”を嘆く。

 彼の嘆きを証明するかのように、先日、韓国教育開発院が中・高校生1700人と成人1600人を対象に実施した『韓国社会の道徳性調査』の結果、中・高校生らの“金銭万能主義思考”は成人のそれより遥かに深刻なことが分かった。

 調査によると、学生の2人に1人が「今は、お金さえあれば何でもできる世の中」(52%)と考え、「働かなくても父母の財産で良い生活をしている人が羨ましい」(47%)と感じていることが判明した。古の時代から儒教道徳を頑ななまでに守り、 “東洋礼節の国”を標榜してきた韓国で、学生の3人に2人以上(70%)が「道端で拾ったお金は自分のものにする」と回答しているのには私自身も驚かされた。

 また、「お金が必要な場合、または欲求充足のため性売買(援助交際)も可能」(7%)との回答も成人の2倍に達した。これに関して、調査に当った韓国教育開発院も「韓国社会におけるモラル・ハザード崩壊の深刻化」と憂慮を示している。

 「こうした風潮は、社会の急速な変化で大人達が『本当に大切なものは何か?』を教えられなくなった結果でしょう」と、副会長氏は淋しそうに笑った。   

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