「ハル」 

 休日はビデオを見て過ごした。見たのは、映画の「ハル」と「約束」。

 「ハル」は「1日」の意味で、「新羅の月夜」「公共の敵」などのヒット作の主演男優イ・ソンジェと、マキシムなど数々のテレビCMに登場する美人女優コ・ソヨンが子供が欲しくて仕方がない結婚六年目の夫婦を好演し、数々の賞に輝いた作品だ。

 様々な努力をしても妊娠する気配がなく、夫は「養子を貰おう」と言い出し妻を酷く傷付ける。病院通いの甲斐もなく終に妻も諦めようとしたその時、医者から妊娠したことを告げられ2人は狂喜乱舞する。ところが喜びも束の間、「お腹の子供は無脳症。産んでも1日しか生きられない」と医者から宣告される。絶望と悲しみに打ちひしがれる2人、夫は中絶を薦めるが妻はどうしても産みたいと言う・・・。

 「ニューズ・ウィーク」最新号に、韓国は世界で最も人口中絶の多い国で年間の人口中絶件数が150~200万件にのぼるとの記事が掲載された。

 記事によると、人口中絶増加は「この数年、女性の奔放な性生活を扱った映画や出会い系サイトを通じた売春が増加する一方で、儒教文化に基づく保守的思想が根強いため正しい性教育が行われていない」点が背景にあると指摘していた。

 「女の子と分かると『中絶して下さい』と言う妊婦が10人に1・2人は必ずいる」

 地方で総合病院を経営する院長が私に語ったセリフだが、韓国における父系社会という構造自体が人口中絶を助長している要因の1つのような気がする。

 映画の中では、主人公は「女の子が欲しい!」と言うのだが…。

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