個人向け融資、増大 

 韓国開発研究院(KDI)が、急増する銀行の個人向け融資に警告を発した。

 従来より、政府は「個人向け融資の殆どは住宅取得の為で、懸念すべき水準ではない」とし、「経済政策を変更して対応する必要はない」との立場を示してきた。

 今回、こうした政府の見解に対し国策研究機関であるKDIが『個人向け融資増加に対する評価と政策対応』という報告書を通して「家計債務が可処分所得の99.8%に迫り、個人向け融資の急増が経済変動を増幅する恐れがある」と指摘した上に「低金利政策が個人向け融資増加の主因になっており、現行の低金利政策の見直しが不可欠」との真っ向から対立する見解を示したのは興味深い。

 韓国銀行が発表した『第1四半期、銀行の個人向け融資現況』によると、借入金の使用用途として「住宅購入」(56.1%)が全体の6割近くを占めこの点だけ見ると政府の主張は正しいのだが、中身を精査すると融資を受けた人の中で自宅のない人は全体の8.6%に過ぎず91.4%は既に1件以上住居を保有している。

 つまるところ、個人向け融資増大の要因は“マイホーム取得”のためではなく、日本のバブル経済期に見られた“不動産投機”が殆どを占めている事になる。

 「市場にショックを与えてはならない」とする財政経済部に対し「成長・物価・国際収支の調和に利上げは必要」とする韓国銀行と、こちらも意見が対立している。

 政府としては「大統領選挙を年末に控え、景気を減速させる可能性がある金利引上げは出来る限りしたくない」というのが本音なのかも知れないが…。

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