拉致問題 

 先週開催された日朝首脳会談で、金正日(キム・ヂョンイル)国防委員長が日本人拉致疑惑を認め謝罪の意を示したことで、日朝国交正常化への道が開かれた。

 しかし、拉致問題では過半数の方の死亡が伝えられ、日本国内では北朝鮮に対する国民感情が急速に悪化している。一方、韓国内では今回の会談結果を受けて、拉北者(北朝鮮に拉致された韓国人)団体から「日本は北朝鮮から謝罪をとりつけた。政府は我々にも理解できる対応をすべきだ」との声が挙がっている。

 韓国は「6・25事変(朝鮮戦争)」で軍人約1万9000人と市民約7000人が北朝鮮の捕虜となり、休戦(1953年)後の拉致者数も486人に達しているが、いずれのケースでも今まで北朝鮮側からは何の確認も謝罪も受けていない。

 今回、日本人拉致者の安否が確認されたことを受け『韓国戦争時の拉北者家族の協議会』と『拉北者家族協議会』の関係者は統一部を訪問し、「拉北者問題を南北会談の主要議題に採択すべきだ」と訴えた。

 また、野党ハンナラ党は「6月の南北首脳会談では、日本のような具体的成果が何もなかった」とした上で、今回、北朝鮮が提出した資料で1987年の「大韓航空爆破事件」の実行犯・金賢姫(キム・ヒョンヒ)に日本語を教えた田口八重子(李恩恵)さんの拉致と死亡が確認された点を取り上げ、「爆破事件が北朝鮮の仕業であったことを認めたことになる」として現政権の対北朝鮮政策への批判を強めている。

 日韓とも、北朝鮮との国交正常化への“道のり”は遠く険しいものになりそうだ。

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