ヤクザ・ブーム 

 今、韓国では“金斗漢(キム・ドハン)シンドローム”が起きている。

 月・火曜の夜10時から放送のSBS大河ドラマ「野人時代」がその火付け役で、主人公の“義侠・金斗漢”は日本の植民地時代の独立軍将軍・金佐鎮(キム・サヂン)の息子に生まれ、この時代にあってヤクザでありながら己のプライドを貫き社会の弱者を助けたことで知られ、今でも市民に人気がある歴史上実在の人物だ。

 先週15日、私の事務所のある鐘路(チョンノ)を巡ってヤクザの親分同士が対決するシーンが放映されたが、この回の視聴率はナント50%を突破したそうだ。

 このところ韓国では、「チング」を始めとして「組暴の女房」や「新羅の月夜」、「達磨よ、遊ぼう」、「頭師父一体」、そして既に観客動員数400万人を突破する大ヒットとなっている現在上映中の「家門の栄光」など、映画界においてもヤクザを主人公にした作品がヒットを飛ばしている。

 警察関係者や一部の知識人の間からは「暴力が美化される傾向にある」と懸念を表す声が高まっているが、延世大学の金皓起(キム・ホギ)教授は最近のこうした風潮について「国民は、大統領選挙を巡っての政界の『陰謀と裏切り』に飽き飽きしており、ヤクザであっても正々堂々と勝負する主人公の姿にカタルシスを感じているのでは…」と分析している。

 大統領選挙まで2ヶ月を切った政界では“集合離散”が繰り返されているが、『大統領よりもヤクザの人気が高い』などという事態だけは避けて欲しいものだ。

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