学習効果 

 最近、三星生命を始めとした大企業が保有不動産の売却に乗り出した。

 こうした大企業の不動産売却は、財務構造改善の為だけでなく低金利を背景にした現在の“不動産バブル”が弾けた場合、90年代に日本で起きた“不動産バブル崩壊”の再来に備えての処置と見られている。

 まず三星生命は、李健熙(イ・ゴンヒ)会長が社長団会議で「日本の長期不況の最大原因は不動産バブルの崩壊」と指摘、「収益性が低かったり、長期的に価格下落が懸念される不動産を処分するよう」に指示したことを受け、保有する120のビルのうち今年だけでも既に13棟を売却した。そして現在も、HSBC韓国本社が入居する南大門(ナムデムン)ビルなど51棟のビルを売却のため市場に出している。

 また、INIスティール(旧・仁川製鉄)は聖水洞(ソンスドン)の土地を111億ウォン(約11億円)で、豊納洞(プンサプドン)と京畿洞(キョンギドン)シファ工場敷地などを840億ウォン(約84億円)で売却したし、ポスティルも来年6月に駅三洞(ヨクサムドン)の新社屋完成後に江南(カンナム)駅近くの現社屋を500億ウォン(約50億円)程度で売却する計画を立てるなど、各社とも不動産売却に積極的に取り組んでいる。

 来年以降、韓国の景気が減速すれば通貨危機以降に安価でビルを買い入れた外資系投資会社が“差益狙い”で不動産売却に乗り出すことも充分に予想される。

 日本の不動産バブル崩壊は、日本企業に多大な含み損を発生させ財務構造の悪化を齎したが、韓国企業にとっては貴重な学習効果を齎しているようだ。

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