家族旅行で済州島に行った。済州島は韓国有数のリゾート地。気候が温暖で多くの景勝地を有するため、1980年代ごろからレジャーの島として定着した。

手元のガイドブックに記載はなかったが、この島に旧日本軍の軍事施設が残っていると聞き訪ねてみた。戦争末期に米軍の上陸まで想定し、島は要塞(ようさい)化が進められたそうだ。

十数個の小型の古墳のように見える格納庫跡が今も畑の中に点在している。神風特攻隊の基地と聞き驚いた。旧日本軍関連の建造物は破壊すべしとの議論が多かったそうだが、最近は保存の傾向にあると聞く。歴史の現場が残っているのはすごいことだ。

娘と一緒に格納庫に入ってみた。60数年前、出撃を目前にした娘と同じ歳くらいの少年兵も仰ぎ見たであろう同じ空を見て、今ある平和の尊さを深くかみしめた。

【ソウル生活を始めたばかりの筆者が、日々の生活で出会う“韓国の不思議”を写真とエッセイで切り取ります。
The Daily NNA韓国版に連載中

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