韓国に赴任して1年8ヶ月が過ぎました。赴任当初から韓国の文化に触れたり、韓国人の友人を増やすため、習い事をしたいとは思っていましたが、韓国語能力ほぼゼロでの赴任でしたので、まずは韓国語の勉強に専念。しばらくしてから念願の習い事を始め、これまでポジャギ、韓国料理、ダンス ( 韓国舞踊、サルサ等 ) を習ってきました。今回はその中で韓国の伝統的なパッチワーク「ポジャギ」のご紹介をしたいと思います。
 
 

「ポジャギ」とは、韓国語で物を包む物を意味します。主に絹、麻などの衣服の裁ち端や古くなった服をほどいて、きれいな部分を接いでいく方法で作ります。昔は、布団や衣類を包んだり、食卓のほこりを防ぐために掛けたり、日常生活に密着した物だったようですが、近年造形の美しさが見直され、壁掛けやテーブルセンターなどインテリアとしても注目されているものです。

 

 

ポジャギとの最初の出会いは、数年前に旅行でソウルに来た際の仁寺洞のお店でした。ひと目見て魅せられたものの、その後縁がなかったのですが、赴任に際し絶対習おうと心に決めていました。しかし、いざレッスンを探してみると、平日の昼間や夜早い時間帯が多く、通えません。ようやく土曜日のレッスンを見つけても、「今はやってない」と断られ、あきらめかけていた頃、友人が土曜日に個人的にポジャギを習い始めることを聞きつけ、私も便乗させてもらうことになりました。

 

 
 

レッスンの場所は、北漢山のふもとにある韓服屋さんです。先生は韓服の専門家で、ポジャギは片手間という感じですが、何しろ韓服作りの腕と材料があるので、素晴らしい作品を作ります。生徒は10人程いて、私ともう一人以外は他の曜日に韓服作りを習っており、土曜日は来たり来なかったりという状況です。みな作っている作品が異なるので、分からない所は先生に各自習い、後はおしゃべりをしながら手を動かします。お昼になるとペダル ( 出前 ) を頼み、作業台に新聞紙を広げてその上で食べたり、誰かが持ってきた果物やお餅などを食べたり、コーヒー ( もちろんスティック ) を飲んだり・・・いわゆる「レッスン」とはちょっと違う地元のおばちゃん達の仲間に入った気分です。時間も自由で、好きな時に来て、好きな時に帰っていくのですが、私は 11 時頃行って、お昼も一緒に食べ、 2 ・ 3 時 までいることが定番です。

 

 

ポジャギの中で一般的な縫い方は「かがり縫い」です。 1 ミリ程の縫い目で縫うので、 5 センチの場合でも 50 針もかがり縫いをしなければなりません。慣れた今でも、 30 センチ縫うのに 30 分以上かかります。最初の作品は、 5 センチ四方の正方形を 100 枚つなげるもので、 10 枚つなげた物を 10 本作り、次にその10本をつなげていく、というステップなのですが、レッスン場ではやり方を教えてもらって一部を縫い、残りは次の週までの宿題。毎日2時間以上やってようやく間に合う、というくらい大変でした。

 

 

今年 10 月にメンバーで展示会を開催しました。数ヶ月前から準備を始め、韓服、ポジャギ、韓服を着せたテディベアなどを展示し、メンバーは自分の作った韓服を着て展示の案内をしました。私も稚拙ながらポジャギの作品を出展しました。 90 センチ四方で、今まで作った中で一番の大作です。ポジャギと並行してチマジョゴリを自分で縫い、展示会では出来立てチマジョゴリを着ました。多くの方に来ていただきましたが、知らない人でも私の作品を撮影してくれているのを見ると、気に入ってくれたんだなぁとほんのり嬉しい気持ちになりました。

 

 

ポジャギは、韓国ならではの色彩・デザインに触れることができ、また一針一針丁寧に縫っていかなければいけないので、心が落ち着きます。デザインする段階では、えっ、この組み合わせ!?というものでも、できあがってみると不思議と素敵に仕上がります。韓国は「何でも混ぜる文化」ですが、ポジャギを通じ、様々な色や形を混ぜることで調和が生まれる、そんな世界を体験しています。