「韓国で車を運転してい てヒヤッとしたことない ですか?」
「ありますよ。毎日です」 韓国で運転を始めた当 初、私はいつもこう答え ていました。韓国の車は 「運転が荒い」というイメージがありますが、実際 に自分が運転する立場で見ると、荒い運転をする人 は全体の30%くらいでしょうか。ただ運転は荒くて も、運転そのものは下手ではないので車の動きはだ いたいわかり、それほど怖くはありません。それよ りも問題なのはその他大勢の「不思議な動きをする 車」です。周りのことを全く気にせずに運転してい る。これらの車が一番危険です。突然、車線変更を してきたり、止まったり。ウィンカーは気が向いた ときにしか点けないし、ブレーキランプが切れてい る車も多い。
  危険なので車間距離を取るとすぐに他の車に割り 込まれる・・・。ですから、前後左右、全方向の車の 動きに気をつけることがまずは第一です。漢江沿い の88道路や江辺北路、京釜高速道路のような車線数 の多い道路は猛スピードで抜き去ってい「縦横無尽 君」が多いので要注意。そうかと思えば恐ろしく遅 い速度で走る「我が道君」もいます。
  ちなみに高速道路で走っているときに前の車が急 にスピードダウンしたらそこは自動速度取締機(カメ ラ)設置してあるところです。韓国の取締カメラはか なり厳しく反応するらしいので、韓国人ドライバー は皆、減速しています(これがけっこう危険なのです が)。
  次に、街中の運転で難しいのはなんと言っても車 線変更と合流。譲ってくれることはほとんどないの で、気合を入れて自分の車を突っ込ませていくしか ありません。合流時には左右から鼻先を入れてくる 他車との戦いです。コツはメリハリをつけるこ と。ずるずると動くのではなく「自分はここに割っ て入るんだ!」と言う強い意志を持って小刻みに車 を突進させて合流です。ただ、バスには注意が必要 です。バスはかなり強引に車線を変えてきます し、周りはそれを容認しています。「公共交通優 先」の概念で素直に譲りましょう。
  運転をしていてふと考えたのは「韓国人の距離感 は近い」ということです。韓国人と付き合っていると人間同士の距離感が非常に近いことを感じます が、これは運転の世界でも一緒のような気がしま す。隣を走っている車は皆友達なのだ、と。交差点 で止まっているときに横の車から窓越しに道を聞か れることもありますし、割り込みされて怒鳴った り、文句を言ったりしている人はほとんどいませ ん。日本だと割り込みしただけで暴力沙汰に発展す る例がありますが、こちらではほとんど気にされま せんね。直進車線だと思っていたら左折レーン。仕 方がないので?一番前まで行って右側の直進レーン に割り込み。でもみんな怒ったりなんかしませ ん。お互い様のようです。
  運転に慣れると今度は道がわからなくて不便なこ とがありますが、これはもう、ナビに頼ったほうが いいです。目的地の入力さえ出来れば、音声案内の 韓国語は決まったパターンですので意外に簡単で す。韓国の道路標識は日本人にとっては非常に分か りづらく、標識通りに曲がってへんなところに行っ てしまうというケースがよくあります(特に田舎の 場合)が、これをカバーしてくれるのがナビで す。ナビはUターンを含めてガイドしてくれますの で街中でも非常に便利です。
  ただ最近の悩みはこの運転癖が日本で出てしまわ ないか、と言うことです。日本の自動車教習所では 「急」のつく行動は厳禁と教わりましたが、こちら では逆に急発進、急ハンドル、急ブレーキをしない と街中では運転できません。郷に入れば郷に従え で、それを毎日繰り返しているのですが先日、日本 へ帰国したときには周りの車が皆、止まっているよ うに感じました。それくらいスピード感がこちらに 慣れてしまっているようです。
  この1年間、韓国で2万3千キロを運転した経験でした。