新資本主義時代

21世紀に入り情報技術革命とグローバリゼーションの潮流に乗る「新資本主義時代」が到来したといわれる。「新資本主義時代」の本質は「IT(情報技術)革命」X「グローバル化」と言える。そして、それは大きく次のように「米国資本主義」、「欧州資本主義」と2分類される。

米国経済は80年代まで鉱工業生産や設備投資や消費動向などの実体経済関連指標で議論をする産軍複合産業を中軸とする実体経済であった。ところがこの10年、米国経済はITで武装した金融経済中心に変化して、実体経済と金融経済が分離してきた。それはまさに競争主義・市場主義に基づく米国資本主義、即ちコーポレートガバナンスの中心を株主におく株主資本主義である。
一方、英国はブレア政権以後、市場競争を大事にしながら社会政策(分配の公正、雇用の安定、福祉の充実、環境保全など)を重視する道を採った。即ち、株主、顧客、従業員、地域社会などあらゆるステークホルダーに配慮するコーポレートガバナンス論である。英国をはじめ仏国、独国など欧州主要国はことごとく、これまで社会主義といわれていた政党が政権に就いて欧州型コーポレートガバナンスを採っている。

ところで、韓国の資本主義は「米国型資本主義」「欧州型資本主義」どちらに近いのだろうか。

韓国は97年夏のタイバーツ通貨危機に端を発した通貨危機に巻き込まれ経済不況(IMF)に直面した。しかし、この根本原因は"土地・労働・資本などの有形資産の時代であった30年前の経済構造、産業構造及び企業構造をもってして、知識・技術・情報などの無形資産の時代である21世紀のパラダイムに対応しようとしたところにある"と言われ、当時の金大中大統領は経済・産業・企業の3つの側面から構造調整を推進してきた。

経済の構造調整についていえば従来のGNP体制からGDP体制に変えるよう推進してきた。国内経済をさらに活性化するGDP体制に変える為に、金大中大統領は一石五鳥を合い言葉に国籍を問わず海外からの投資を推進してきた。現盧武鉉大統領も「東北アジア経済のハブ構想」を実現するために外国企業投資を重要政策に掲げて継続して推進している。

産業の構造調整は従来のハード産業(重厚長大型産業)からソフト産業(軽薄短小型産業)へと脱皮を図るべく、特にIT産業の育成に力を注いできた。韓国が世界でも有数のIT国家になったことは周知の事実である。

企業の構造調整では"所有と経営分離"を促進させ、経営の透明化を浸透させ、労使WIN-WINを実現させるべく新労使文化を確立するための努力をしてきている。しかし、残念ながら労使紛争は増加の一途をたどっている。そして戦闘的で、硬直的な労働組合活動はテレビ、新聞などを通して世界中に報道され、外国人直接投資の阻害要因となり、韓国経済低迷の一つの要因となっている。

IT(情報技術)革命とグローバリゼーションは、IMF以降の韓国資本主義活動以上の速さで韓国に「新資本主義時代」をもたらしている。言うまでもなく、資本主義は「会社」という組織から成り立っている。

辞書を調べてみると、「会社」を示す英語「company」には意味深い語源がある。" 前部のcomは「共に」と言う意味で、後部のpanはラテン語で、パンを意味するpanisから由来している。 従って、元々の意味は「共にパンを食べる」になる。 共に食べていこうとし、人々が集まって作った組織が、すなわち「会社(company)」"という意味だそうだ。
最近、頻発している労働紛争の労使関係を見ていると「会社(company)」という本来の枠組みから大きく外れている会社が散見される。
会社を意味するもう一つの英語は「corporation」である。「corpor」はラテン語でbodyを意味する。また、団結と言う意味もあると言う。経営者と従業員が団結して経営する状態が「corporation」である。

「新資本主義時代」にあって、韓国の資本主義は今、どこにあり、これからどこに行くのだろう。

毎日経済新聞のコラム(2004年10月1日掲載)

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