韓国国民経済諮問委員会で高杉暢也委員が指摘

2005年9月2日付け東洋経済日報より許可を得て転載

国民経済諮問委員会の高杉暢也委員(韓国富士ゼロックス最高顧問)は、盧武鉉大 統領出席のもと、青瓦台(大統領府)で開かれた同委員会で、今年第1四半期(1 ― 3月)の経済成長率が2・7%に低下したことについて、原因は韓国経済の二極化構 造にあると指摘した。


  同委員会での高杉委員からの主な指摘を紹介する。

  今年の第一四半期のGDP成長率が2.7%と発表された。昨年の第一四半期5.3%の半分であるばかりでなく、連続して下降現象にある。昨年は輸出成長が貢献したものの、国内投資および消費の鈍化をカバーし切れなかったと分析されている。今年は国内投資および消費が回復しつつあるものの、輸出の減少が原因と分析されている。しかし、真の原因は二極化現象と言われる韓国経済のファンダメンタルな構造にあると思う。

  二極化現象の勝ち組みは韓国の強みの1つであるIT産業である。しかし、IT産業の場合、技術・資本集約度が高く、中間財の輸入依存度が高いため、労働力依存度が相対的に低くなり、雇用創出効果は低く、国内投資および雇用の増加に連結することは難しい。

  一方、部品素材産業は殆ど発展せず、大企業の成長果実が中小企業に伝播できない実情にある。優良大企業は急速な技術進歩に対応し、R&D投資などを通じて自らの技術水準を高めているが、中小企業は資金と人材不足、信用力の制限などの要因でR&D投資に厳しさを抱えている。

  従って、政府としては産業連関関係を強化し,輸出の増加が投資、消費および雇用の増加に繋がる好循環構造を構築し、現在の大企業中心の産業クラスターを中長期的に中小企業も参加できる開放型に改変する政策をとるべきである。そして企業間格差を少なくするような革新および調整を積極支援し、人的資本育成中心の成長促進型細分財政策をとるべきである。

  特に日本からの新素材や部品素材の誘致は不可避である。そのためにも「日・韓FTA」締結は焦眉の急であると思う。FTA効果は「韓国・チリFTA」の効果を見れば一目瞭然である。ビジネスの最先端にいる実務者として「日・韓FTA」締結は韓国経済のファンダメンタルな構造問題解決の鍵であると申し上げたい。


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