「日韓Friend‐Ship 06」を振り返って

「日韓Friend‐Ship 06」コミティー
委員長 高杉 暢也(韓国富士ゼロックス)

はじめに
 遡れば2003年6月、小泉首相と盧武鉉大統領は日韓両国民の相互理解と友情を増進することを狙いとして日韓国交正常化40周年にあたる2005年を「日韓友情年2005」と定めました。これにより昨年は政治問題で波風が立ったものの“進もう未来へ、一緒に世界へ”をスローガンに700余件の交流イベントが開催され成功裡に終了したことはご案内の通りです。

 「日韓友情年2005」事業報告の「日韓の市民交流と相互理解の促進に関する提言」の中で韓国哲学者:小倉紀蔵委員は“「韓流」や「ルックコリア」を通じて両国はインタラクティブな(相互作用する)関係を構築する時代になった。そして今や両国は「イデオロギーの日韓関係」や「反発感情の日韓関係」ではなく、「クリエイティビティの日韓関係」に転換する絶好のチャンスを迎えたのである”と強調されています。

「日韓Friend‐Ship 06」コミティーのスタート
 我々「日韓友情年2005年現地推進本部」も今年(2006年)の1月中旬に第10回会合を開催し、「日韓友情年2005」行事の総括レビューを行いました。この中でメンバーから友情年の終了とともに現地推進本部の機能が停止してしまうのは惜しいと言う意見が多数出て、今後も当地における文化、交流事業に日本人社会が積極的に関与して枠組みとして「日韓交流懇談会」などの名称で推進本部の枠組みを維持させたらどうかと言う提案がありました。 討議の結果、推進本部の枠組みを「日韓Friend‐Ship 06」コミティーと命名し、存続させる事にしました。名称に年度を入れることにしたのは単年で終わるのではなく継続していくことを意図していることによるものです。

 今年度に入って、大使館広報文化院、国際交流基金、国交省傘下の自治体国際化協会などが中心となっての事業は予算化されているものの、「日韓Friend‐Ship 06」としてどんな事業計画を目玉にするのか頭を悩ませました。昨年と違い国からの予算の配分はありませんので複数の大掛かりな事業は計画できません。討議の結果、昨年のレビューから「クリエイティビティの日韓関係」を構築する最も効果的な事業は一般市民が交わることのできるお祭りであるということに意見の一致を見、目玉を「日韓交流お祭り」ということにしました。

今年度の日韓交流活動
 今年の日韓交流活動を主催者別に振り返ってみます。

・大使館は1月から新年日本文化紹介展を皮切りに、毎月各種文化交流を予定通り実施しました。特にこれまで大都市を中心に開催してきた「Japan Week」をこれからは地方都市にまで展開していく方針で3月に公州で開催し、第2回目は10月にウルサンで開催しそれぞれ好評を博しました。第1回目を公州に選んだ理由は百済の中心で桓武天皇の生母と係わる武寧王陵が位置するからであると大使館は説明をしています。この他、6月には第4回韓日親善歌謡大会、7月には夏の風景展、JAMICのど自慢大会などが文化広報院で開催されました。大使館の主催行事ではありませんが韓国人の韓国語による劇団四季の「ライオンキング」は韓国のミュージカル普及に貢献することが期待されています。
SJCとの関わりでは教養文化委員会が中心となり6月に昨年からの順延のNHK交響楽団公演のサポート、9月には第4回日韓カラオケ大会を、12月にクリスマスチャリテーコンサートをそれぞれ開催しました。

・国際交流基金では文化芸術分野、日本語教育分野、日本研究・知的交流分野と幅広く交流を展開しました。
・国際観光振興機構(JNTO)関係では9月に日本の北側国土交通大臣と韓国の金明坤観光長官出席のもとに「日韓観光の夕べ」と「フードフェアー」が盛大に開催されました。
・自治体国際化協会は各都道府県が韓国の姉妹都市などと密度の高い交流を交わしました。各分野の裾野の広いこのような活動は今後必ず良い成果をもたらすことと確信しています。

 なお、日韓文化交流会議(日本側平山郁夫座長、韓国側金容雲委員長)も継続して活動を推進していますが、今年からは更に中国を加えて日本、中国、韓国のサッカー協会の主催する2008年の北京オリンピックに向けたチーム強化のため、お互いの文化を学び、3カ国の若い世代の交流を図るプロジェクトを支援しています。11月13日には昌原でU21サッカー日韓戦を前に両国の学生による交流が行われました。

「日韓交流お祭り」
 「日韓交流お祭り」は第1回会合を4月14日に開催しました。大使館が中心となりましたが昨年企画に加わったエクスクルーのユン社長、湖西大学校の金居先生、SJCの今西教養文化委員長、日本旅行社をはじめ関連する主要メンバーが加わり、昨年のおまつりを基本的にイメージして今年は「パレード」、「ステージ」、「サブステージ(自治体ブース)」の3つのメインを柱に進め、両国の多くの市民が参加できるお祭りにすることが確認されました。6月に「日韓交流お祭り」実行委員会が両国に発足しました。委員長は日本側が平山郁夫画伯、韓国は金容雲漢陽大学名誉教授となり、それぞれ各界からメンバーに加わっていただきました。
 準備は拙速ながら進んだものの一番の問題は資金集めでした。昨年の規模には及ばないとは言え約3億6千万ウォン規模の予算が必要であると計算されました。日韓の多くの企業にお願いをさせていただきました。一方、SJC法人会員の皆様からは快く趣旨に賛同を示していただき短期間に目標とする予算額を集めることができました。皆様のご協力にこの紙面をお借りして心よりお礼申し上げます。
 9月23、24日、大学路で開催された「日韓交流お祭り」は好天気にも恵まれ、5万人の観衆の中で盛大に催され成功裡に終わりました(詳細内容については別途報告されています)。喜ばしいことにこの10月、11月に行われた日韓外相会談で韓国側から明年の早い時期に韓国側も日本で同様の行事を開催したい旨の表明がありました。また、ソウル市もお祭りに何らかの形で組したいとの意思表示がありました。

 しかしながら、一見成功裡に終わったように見えるもののいくつかの反省点が指摘されました。反省点の主要なものと2007年度への建設的な提案をSJC教養文化委員会の纏めに基づき、私見も加えて列記してみます。
(1) 企画スタートが遅く時間に余裕がなく不十分であったこと
(2) 組織があっても機能しなかったこと
(3) 事務局に運営ノウハウがなかったこと
(4) 情報の伝達が全くと言っていいほどなかったこと
(5) 広報活動が不十分であったこと
(6) 集めた資金がどのように使われたか速やかに決算報告をすること
(7) 参加者を楽しませることができなかったこと
 このような反省点から、2007年度へ次のような準備を提案されています。
(1) 2006年12月中に準備委員会を発足し、企画に取り組むこと
(2) 2007年3月までに企画書および予算書を作り上げること
(3) 2007年4月大会委員会を発足させ、全ての対外的な窓口とすること
(4) 同時に実行委員会を発足させ実質的な運営を行うこと
(5) 実行委員会は作業部隊であり、参加団体にも委員として入ってもらうこと
(6) SJC会員の賛同を得て資金的なサポートの協力を得ること

おわりに
 以上、「日韓Friend‐Ship 06」コミティーの活動を振り返ってみました。
 今や日韓の関係は小倉紀蔵氏の言われるように「イデオロギーの日韓関係」や「反発感情の日韓関係」ではなく、「クリエイティビティの日韓関係」にしなくてはなりません。そのために当コミティーは来年度、「日韓Friend‐Ship 07」コミティーとして継続して活動を推進していきます。
 SJC会員皆様の建設的なご意見やご協力をお願いいたします。

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