SJC創立10周年記念挨拶

7,8,9代 理事長
高杉暢也(韓国富士ゼロックス)

SJC創立10周年おめでとうございます。理事長時代を振り返って思い出を記し祝辞に代えさせていただきます。

私はSJC事務局強化のために日本商工会議所を合体し、新事務局体制ができた2003年度に理事長に選任され、2005年まで3年連任しました。この間、(1) 全会員のためのSJC、(2) 日韓友好親善のためのSJC、(3) グローバル化の中のSJC、の3つの方針を掲げ、皆さんとともに活動を進めました。

特に、力を注いだのは(3)「グローバル化の中のSJC」でした。如何にSJCのプレゼンスを高めるかに皆さんとともに創意工夫を凝らしました。2003年は盧武鉉大統領誕生の年でしたので大統領訪日のチャンスを生かしました。即ち、それまで秋に行っていた産業資源部への隘路事項提出方法を長官直接懇談方法に変更し、大統領訪日前の5月末に「尹鎮植産業資源部長官とSJCの懇談会」を開催、そこで隘路事項の改善並びに日韓FTA早期締結を訴求しました。翌日の韓国の各朝刊紙は“日本人がやっと大きな声をあげた”と大きく報道しました。大統領訪日時はSJCの訴求を理解した尹鎮植産業資源部長官も日本企業に韓国への投資を呼びかけました。全経連会長などと一緒に公式随行員に任命された私は韓国側とともに小泉首相、盧大統領両首脳に日韓FTA早期締結要望を提案しました。その後、大統領諮問機関の国民経済諮問会議メンバーにAMCHAM、EUROCHAMの会頭と並んで任命され、青瓦台はじめ、いろいろなイベントで皆さんと活発な提言、発言等を続けました。まだ十分とは言えませんが、SJCが韓国における3大外国人商工会議所の一つに数えられるプレゼンスを確立する事ができたと思います。

方針(2)の「日韓友好親善のためのSJC」では教養文化委員会や婦人会を中心に会員皆さんの自主活動が喚起され、ソウル市主催「ソウル祭り」への参画や「日韓カラオケ大会」、「クリスマス・チャリティーコンサート」などがスタートしました。今日、現在も継続され、更なる盛り上がりを見せてきていることは喜ばしい限りです。 特に、2005年度は日韓国交正常化40周年の「日韓友情年」でした。 “進もう未来へ、一緒に世界へ”をスローガンに両国の間に700余件の交流イベントが開催され、現地推進本部長として皆さんと一緒に汗をかきました。途中、政治問題で波風が立ち、NHK交響楽団演奏会や青少年サッカー大会などいくつかのイベントが順延や中止となり、若い青少年に悪い影響を与えるのではないかと心配もしました。しかし、NHKとSJC共同主催の「NHKのど自慢イン・ソウル」、両国外務省主催の「日韓交流おまつり」、NHK-MBC合作の「日韓交流コンサート」、未来に向けた「青少年日韓シンポジューム」等その多くが成功裡に終わり心配は杞憂に終わりました。「日韓友情年」の成功は記憶に新しいところです。

中でも、「日韓交流おまつり」の重要性を認識し、大使館並びに関係所管に継続させることをお願いしました。その結果、“どんな悪天候にあっても常に進むべき方向を照らしてくれる灯台の光のような、日韓友好の大切なシンボルとして”と言う合言葉のもとに SJCのボランティアの皆さんが草の根活動として推進させていることは心強い限りです。第3回目の今年は創立10周年記念に相応しいSJCメンバー手作りのおまつりが成功裡に終わり、両国の友好親善を更に促進させたものと確信しています。

SJCは「全会員のためのSJC」であることは言うまでもありません。会員相互の親睦、啓発、福祉、安全の向上を理事長として常に念頭において活動してきました。楽しい思いでも沢山ありますが、両国の間には微妙な感情問題や政治問題が存在していますので苦い思いでもあります。主なものを2つご紹介したいと思います。
1つは2003年の晩秋に、ある日韓合弁企業労働組合が日韓連合でSJCの隘路事項の1つである「労使問題改善」に抗議をしてプレスセンタービル前で“SJC理事長の妄言を撤回せよ”とデモをし、弊社東京本社まで押しかけていったことです。デモは翌年も続き対応には苦慮しましたが、大使館、SJC幹部の皆さんと何回も対策を検討し、適切な対応の結果、事なきを得ました。
2つ目は2004年の1月、日本人学校の児童が校庭で不信な韓国人に斧で頭部を殴られたことです。軽い怪我ですんだことは不幸中の幸いでしたが、怪我をさせられた児童の精神的ショックやご家族、駐韓日本人への不安は大きなものがありました。加害者には政治的な背景はないということでしたが、緊急動議で学校安全対策のための予算を追加し、防犯カメラの取り付け等、安全対策を強化しました。
このような緊急事態発生の時、大使館はじめ関係者も一緒になってSJCと問題解決に努力していただいたことに改めて感謝したいと思います。このような経験が智恵となりSJCの文化遺産として今、引き継がれています。

このようにSJCの皆さん並びに関係者のお力添えを頂くことにより3年間連任の理事長職務を無事に終えることができました。また、数多くの文化交流の種をまくことができました。皆さんのご理解とご協力に感謝するとともにこれらの種が更に大きな花を咲かせ、3大外国人商工会議所の一角としてのSJCが、全会員相互の親睦、啓発、福祉、安全の向上のみならず 日韓友好親善及び経済発展のために更なる活動をされますことを祈念しています。

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