作品と同時にその人物像がはっきりと浮かんでくる作家は多くありません。棟方志功は数少ないその一人ではないでしょうか。しかしながら、没後三十余年を経て、棟方を知らない世代も確実に増えています。また、国外での評価も高い棟方ではありますが、文化交流史上デリケートな関係が続いていた韓国で、大々的に棟方の作品が紹介されるのは、今回が初めてのことです。
そのような事実をふまえ、作品を通して見た真実の棟方像、そして普段の生活から伺い知る別の一面の棟方像を語り、棟方をご存知の方には新たな棟方像を加えていただき、今まで棟方をご存知なかった方々には初めての棟方の世界を知っていただく講演になればと存じております。講演の中で上映いたします映画「彫る―棟方志功の世界」には、作品と共に、その制作過程、棟方の人となりが存分に記録されています。棟方自身が語る言葉に、何を感じ取られるか、そこに真実があることでしょう。
現在、国立現代美術館で開催中の「崔榮林・棟方志功」展は、日韓の近代美術の交流史を紐解く上でも意義ある展覧会と存じます。是非一度ご高覧下さいますよう、お願い申し上げております。
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