平成15年9月8日
在韓日本大使館領事部
1.9月4日(現地時間)、米国土安全保障省は声明を発表し、アル・カーイダが米国及び海外の米国権益に対する複数のテロ攻撃を引き続き計画しようとしているとして、要旨以下のとおり警告しています。
(1)9月11日の米国同時多発テロ2周年に先立つ米国内機関の最近の評価に基づき、我々は引き続き、アル・カーイダが米国及び海外の米国権益に対する複数のテロ攻撃を計画しようとしていることについて懸念を有する。
(2)現段階では、テロ攻撃の個々の標的及び日時に関する特定の情報はない。
(3)過去数カ月間においてアル・カーイダの主要メンバーが世界各地で逮捕されたことにより、テロ攻撃を遅らせ、中断させた可能性はある。しかしながら、逃走中のアル・カーイダ工作員は、米国領域へのテロ攻撃を優先事項とみなし、そのために、標的、戦術、能力の拡大を追求し続けている。
(4)アル・カーイダの主要な意図は、米国権益に対する同時多発テロ攻撃であるとともに、最近の海外におけるテロ事件は、アル・カーイダが、従来より小規模なテロ攻撃をソフトターゲット(警備の緩やかな標的)に対して実施することを選ぶ可能性を示している。
(5)今回の声明に関連して、テロ攻撃への警戒レベルは変更しない予定であり、現在の警戒レベルは「高まっている(elevated)危険(黄色)」である(同警告レベルについては末尾の参考を参照。)。
(6)アル・カーイダが引き続き、米国内にある標的に対して、米国内の空港に着陸予定のない飛行機のうち、米国本土の近くを経由する、若しくは米国本土の上空を飛行する商用機をハイジャックした上で、複数のテロ攻撃を行う計画を練っていることを示唆する信頼できる情報が増加している。
(7)アル・カーイダは、米国内にある重要施設を、これら施設が持つ経済的及び心理的な影響力の潜在的重要性に鑑み、魅力的なテロ攻撃の標的とみなしているが、これら施設には、以下の施設が含まれる。なお、アル・カーイダその他のテロ組織には、一般的に車爆弾若しくはトラック爆弾と称される大量の爆発物を搭載した車両を使用して、インフラ施設へのテロ攻撃を行う能力があることが実証されている。
(イ)原子力発電所等のエネルギー関連施設(発電所、石油貯蔵・流通施設等)
(ロ)石油・化学関連施設
(ハ)旅客鉄道、産業用有毒化学品を運送する貨物列車等の輸送機関、鉄道又は自動車用の橋、トンネル、大規模交通機関
(ニ)ダムを含む貯水池その他の水利施設
(ホ)生産、加工及び流通に係る食糧供給施設
(ヘ)送電網
(8)生物・化学物質、放射性物質、核物質(以下「CBRN」という。)を入手し、生産し、若しくは盗み、しかる後に、CBRNを散布することは、アル・カーイダの最優先の目的である。アル・カーイダは、病原菌や毒素の生産、水や食料の汚染、多数の人がいる閉ざされた場所での噴霧等非常に影響力のある形での散布方法などCBRNを使用したテロ攻撃の研究を引き続き進めている。
(9)最近のサウジアラビア、インドネシア、イラクにおけるホテルや居住区域に対して行われ、大規模な犠牲を出したテロ攻撃は、最小限の警備措置しか講じられていないいわゆるソフトターゲットが、米国内においても魅力的な攻撃対象とみなされ得ることを示している。計画されているテロ攻撃の対象には、アパート、ガソリンスタンド、レストランが含まれ得るとの報告もある。
2.テロ攻撃の危険に対する米国政府の警告やアル・カーイダ関係者がテロを促しているとも考えられるメッセージ等については、これまでも随時渡航情報を発出して注意喚起しています(7月30日付広域情報「テロ攻撃に関する米国政府の警告」、8月4日付広域情報「アル・カーイダ幹部によるとみられるテロ攻撃の声明」等)。米国に渡航・滞在される方は、上記1.の米国土安全保障省による声明にも留意し、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手に努め、テロの標的となる可能性がある施設等の危険な場所にはできる限り近づかない、大勢の人が集まる場所では警戒する、周囲の状況に注意を払うなど安全確保に十分注意を払って下さい。
また、テロ事件が発生した場合の対応策を再点検し、状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心掛けて下さい。
(参考)
米国政府は、国家安全保障勧告システム(The Homeland Security Advisory System)により、同国におけるテロ攻撃の脅威のレベルについて、「低い(low):緑」、「慎重を期す(guarded):青」、「高まっている(elevated):黄」、「高い(high):橙」、「高度の危機(severe):赤」の5段階で評価して国民に伝えることとしており、「高まっている(elevated):黄」は、テロ攻撃による相当の危険があることを示しています。
(問い合わせ先)
○外務省領事移住部邦人特別対策室(テロに関する問い合わせ)
電話番号:(代)(03)3580-3311(内線)3100
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話番号:(代)(03)3580-3311(内線) 2902
○外務省 海外安全ホームページ http://www.mofa.go.jp/pubanzen/