平成17年 6月1日
在韓国日本国大使館領事部
 
貝毒による食中毒について
 
今般、海洋水産部国立水産科学院より「釜山の全沿岸域で基準値を超過した麻痺性貝毒を検出した」との情報が在釜山総領事館にありましたので、概要をお知らせします。
  1.

水産科学院によると、貝毒による食中毒を防ぐために定期的に貝類に含まれる毒性をチェックしており、今般の調査により釜山の全沿岸域で基準値を超過した麻痺性貝毒を検出したとのことです。調査対象種はイガイとカキのみですが、沿岸域に生息するアサリなどの二枚貝はいずれも有毒化の恐れがあるとのことです。日本では食品衛生法により検査態勢が確立されているため、毒化した貝が店先に並ぶことはまずありません。韓国でも検査態勢が確立されていますが、流通ルートのはっきりしない場合には購入を控えられることをお勧めします。

 毒の有無は二枚貝の外見では判別できません。また、貝毒は熱に強いため、加熱調理しても毒性は弱くなりません。

  これから暖かくなり、海に出かけて家族で潮干狩りなどを楽しむのに良い季節になりますが、貝毒の発生した海域での潮干狩りや個人的に採取した二枚貝を食べる場合は注意が必要です。
     
  2.

(1)『貝毒』とは?

   

二枚貝に含まれることがある天然の毒成分で、食中毒の原因になります。二枚貝はプランクトンを餌としており、これらプランクトンの中には人間に有害な毒を作る種類がいて、そのプランクトンを餌として取り込むことによって毒が蓄積され、二枚貝が毒を持つようになります。これがいわゆる「貝毒」です。これらの貝毒プランクトンは水温が高くなると増殖します。したがって、特に5月〜8月頃に貝類が毒化する可能性が高くなります。毒化した貝類であっても、水温が低下し海水中に貝毒プランクトンがいなくなると、代謝されてやがて貝毒は無くなっていきます。二枚貝自身に毒を作り出す能力は全くありません。

貝毒には症状によっていくつか知られていますが、代表的なものは「麻痺性貝毒」と「下痢性貝毒」です。
    (2)『麻痺性貝毒(PSP: Paralytic Shellfish Poison )』とは?
    主にイガイ、ムラサキイガイ(ムール貝)、ホタテ、アサリ、カキなどの二枚貝によって起こる食中毒で、食後30分程度で口唇、舌、顔面が痺れ始め、次いで嘔吐や頭痛の症状が現れ全身に痺れが広がります。重症の場合は、呼吸麻痺により死に至る場合もあります。
    (3)『下痢性貝毒(DSP: Diarrhetic Shellfish Poison )』とは?
    麻痺性貝毒と同じくイガイ、ムラサキイガイ、ホタテ、カキなどの二枚貝によって起こる食中毒で、食後30分から数時間以内で下痢や嘔吐、腹痛などの症状が現れますが、通常3日以内で快復し、死に至ることはありません。


 
以上